朝食にも妥協がない栄太郎の手作り豆腐の写真 https://www.pakutaso.com/20170415096post-10955.html (PAKUTASOからお借りしました。美味しそう!!)
ひとり暮らしをはじめてから、豆腐には随分とお世話になってきました。
美味しいし安いし保存も利くし、色んな料理にプラスすればぐっと栄養価をアップさせてくれるし。
これぞ手抜き自炊族の強い味方!
しかし、栄養価が高い分、開封してしまうとあまり日持ちしないのも事実。
「これ、いつ開けたやつだったっけ……?」
と、保存容器の中を泳ぐ豆腐にそっと鼻を近づけてみる、なんてことも、昔はよくやっていました。
※ 蛇足ですが……:賞味期限と消費期限
「賞味期限」は未開封で保存した場合に美味しく食べられる期限。
「消費期限」は未開封で保存した場合に安全に食べられる期限。(一般に、期限の1.1〜1.2倍の期間は食べられる)
豆腐は「賞味期限」が設定されている場合が多いので、少し古くなったのを食べてもすぐにお腹を壊すというわけではない……はずですが、開封してしまえば菌の繁殖等の危険もあるので、難しいところですね。
最近は、近いうちに食べきれなさそうな分はさっさと冷凍してしまったりするのですが、
「お豆腐を冷凍するってあまり一般的じゃないのかも」
と感じる機会があったので、紹介がてらまとめてみます。
豆腐の賞味期限は種類毎に違う
まずは、お豆腐そのものの賞味期限から。
豆腐は製法毎に分けると、絹ごし豆腐、木綿豆腐、そして充填豆腐の3種類があります。
絹ごし、木綿の賞味期限は一般的に、3日〜1週間ほど。
しかし充填豆腐の場合、スーパーで売られているものでも大体1〜2週間ほど。
更には、常温で半年以上の保存ができるようなものもあります。
防災用のストックや、海外からのお取り寄せに良いかもしせません。
こういった保存期間の違いは、それぞれの製法の違いから来ています。
充填豆腐って何?
「そもそも充填豆腐って何?」 という人もいるかもしれませんが。
まぁちょっと、スーパーの豆腐コーナーを思い出してみて下さい。
パックの中で水に沈んでいる豆腐が並んでいる中で、見かけたことありませんか?
容器の中にみっちり詰まってる豆腐。
あれです。あれが充填豆腐。
こういうのね。
あの豆腐は、絹ごし豆腐、木綿豆腐とはそもそもの作り方が違います。
豆腐のつくり方
美味しい豆腐づくりには色んな要素が必要ですが、豆腐が豆腐になるための図式を極限まで単純化すると、
- 温めた豆乳+凝固剤(にがり等)→豆腐
という感じになるでしょうか。
つまり、豆乳が固まって豆腐になるための2大要素は、温度と凝固剤。
このことを踏まえて、それぞれの豆腐の作り方をまとめると、こんな感じになります。
- 絹ごし豆腐:豆乳と凝固剤を混ぜて固めたもの
- 木綿豆腐:豆乳と凝固剤を混ぜて固めた後、一旦形を崩して布を敷いた箱の中に入れ、水分を抜きながら固めたもの
- 充填豆腐:販売用の容器に冷却した豆乳と凝固剤を入れ、密封。その後に加熱・冷却を行なって中身を豆腐にしたもの
こうやってみると、絹ごしと木綿の食感の違いや、逆に絹ごしと充填豆腐がよく似ていることも、納得がいくかなと思います。
そして充填豆腐が、製法の点で他の2つと大きく違うことも、よく分かるかと思います。
充填豆腐は容器をしっかり密封した後で加熱するため、衛生的な環境を保ちやすく、雑菌が繁殖しにくい。
上でご紹介した長期常温保存できるお豆腐は、充塡豆腐のこの無菌製法の技術をぐっと高めたことで、実現されたそうです。
しかし、開封してしまった後はこちらのさじ加減。
というわけで、やっと本題です。(前置きが長い)
豆腐のおいしい保存法
豆腐の保存方法は、大きく分けて冷蔵と冷凍のふた通り。
それぞれについて詳しくふれていく……前にもうひとつだけ情報を。(またかい)(これが最後っす)
「豆腐のパックってなんで水が入ってるの?」
疑問に思われたことはないでしょうか。
あの水には、2つの役割があります。
- 豆腐を衝撃から守るため
- 豆腐を空気から遮断するため(空気にふれると雑菌が繁殖しやすくなる)
つまり、基本的にあの水は豆腐のパッキングの一部ということ。
ちなみに、この水を捨てるべきか、調理に使うべきか、という疑問もあるかもしれません。
メーカーにもよりますが、基本的には料理に使うことは推奨されていません。
理由は主に2つで
- 水には豆腐から、にがりやサポニンなどの苦味成分が溶け出しているから(メーカーによっては保存料などの添加物が含まれている場合もあります)
- 雑菌が繁殖する場合、まず水から悪くなるから
①で溶け出した苦味成分や添加物の影響で、冷奴にした際に苦味を感じる豆腐もあるようです。
そういった場合はさっと流水で表面の水を流してあげると、より美味しく食べられるかな、と思います。
①そのまま冷蔵
■ 保存期間:〜2日(賞味期限内)
移送中はクッション材としての水が必須なお豆腐ですが、自宅の冷蔵庫に入れておく分には、水なしで保存することもできます。
- パックに入っていた水を捨て、保存容器に豆腐だけを入れる
- きっちりと蓋をする(菌が入りにくい密閉容器がベター)
以上。
このやり方だと豆腐が直接空気にふれるので、足が速くなり早めに食べきらなければいけません。
けれど、水につけない分、豆腐の旨味や栄養が失われにくいというメリットがあります。
なので、すぐに食べきる予定があって、豆腐の濃厚な旨味を楽しみたい、という人にオススメ。
逆に食感は、水分が抜けることで少し固くなります。
やわらかぷるぷるな絹ごしがお好きな人は、下の方法の方がいいかもしれません。
②水につけて冷蔵
■ 保存期間:2、3日(賞味期限内)
たぶん一般的には、この保存法を採用している人が多いんじゃないでしょうか?
- パックに入っていた水を捨て、保存容器に豆腐だけを入れる
- きれいな水を豆腐にかぶるくらいに、ひたひたに注ぐ
- きっちりと蓋をする(菌が入りにくい密閉容器がベター)
- お水を毎日新しいものに交換する(夏場は1日2回、冬場は1回が目安)
水につけておくと、付着した菌はまず水中で増えるので、毎日きれいなお水に変えてあげることで、お豆腐の持ちが良くなります。
ただしこの方法だと、なんども水を変えることで、豆腐の旨味が少しずつ薄まってしまうという難点もあります。
水あり、水なしのどちらで保存するかは、好みや調理法応じて使い分けるといいかもしれませんね。
③冷凍
■ 保存期間:2〜3週間
冷蔵保存と違って食感は変わってしまいますが、豆腐は冷凍もできます。
一度冷凍して解凍した絹ごし豆腐は、湯葉のような食感に。
木綿豆腐は、水切りして食べ応えが増した木綿豆腐よりももっと食べ応えがあり、高野豆腐よりもしっとりとした食感と豆腐の風味が残っています。
お肉で言うと酒蒸ししたささみのような、淡白だけど程よい歯応えと旨味がある独特の食べ物になります。
保存の手順は簡単。
以上。
開封前の場合は、パックごと保存するのもokです。
使うときは
- 自然解凍
- 流水に浸して解凍
- レンジでチン
のいずれもok。
私は煮物などに入れるときは、横着してそのまま放り込んじゃったりします。
あたたまるとお豆腐から水分が出てくるので、水気や味付けはそれを考えて調整します。
こちらは自然解凍してみたの図。結構お水が出るので、キュッと絞ります。
冷凍豆腐のオススメレシピ
絹ごし豆腐は、一度そのままお醤油で食べて、湯葉っぽい食感を楽しんでみてほしいな、と思います。
そのままでは湯葉のようなトロッと感はないですが、重曹をいれたお湯で軽く煮ると、お豆腐が溶け出してより食感が近くなります。
冷凍豆腐は食感がしっかりするので、お肉代わりに使うのも向いています。
そのままステーキにしてもいいですし、豆腐ハンバーグやナゲット、唐揚げ、そぼろ煮も、普通のお豆腐を使うより水切りの手間が省けて簡単。
個人的には、軽く炒めてから他の具材と合わせて豚汁風にするのが好きです。
これは普通のお味噌汁ですが。
番外編:お豆腐で作る長持ち常備菜
豆腐が余ったときは、持ちのいい常備菜を作るのもいいと思います。
私がよく作るのは下の2つ。
どっちも簡単でおいしいですよ。
味噌豆腐
チーズのような食感で一時期ちょこっと流行りましたね。
1日ほど重石をしてしっかりと水切りした豆腐を味噌ベースのつけダレで包みます。
豆腐の口溶けは残しつつ、濃厚なコクが出るので、フレッシュチーズみたいで美味しいです。
インターネットでも色んなレシピが転がってますが、私がこの食べ方を初めて知ったのはこのレシピ本。
和・洋・中・韓国、豆腐が主役の色んなレシピが載っていて、豆腐好きには堪らん一冊です♪
豆腐のオイル漬け
これもちょっとチーズっぽくなりますね。
水切りした豆腐を好きなサイズにカットして、少量の塩胡椒、お好みのハーブと一緒にオリーブオイルに漬け込むだけの簡単レシピ。
食感は水切り時間によって変わるので、クリームチーズみたいな食感が好きなら30分ほど、カッテージチーズ代わりに使いたいなら、1日しっかり水切りを。
食べるときはオイル感を生かして、トマトと合わせてカプレーゼ風に楽しむのも美味しいし、きのこなどと一緒に鍋に放り込んでアヒージョ風にするのもおススメです。
まとめ
冷凍豆腐のつくり方だけささっとお伝えするつもりが、書き始めたら思いがけない長さに……
自分、意外と豆腐好きやったんやな。
皆さんも自分に合った保存法、調理法を見つけて、美味しい豆腐ライフを〜
こちらはみてるだけで美味しいレシピ集。
普通の豆腐レシピだけでなく、豆腐クリーム、豆腐ホイップなどの色々使いまわせるアレンジもいいです。
テリーヌなんてお洒落なものも作れちゃうとか、豆腐って底が知れねぇ……
ただしこちらのレシピ集は、半分程度はフードプロセッサー必須なので、調理器具ミニマルな方はご注意を。