「引越しに向けてものを減らしたい」
「ミニマリストのように身軽になりたい」
と思ったとき、本の多さに悩む人って少なくないんじゃないんだろうか。
かく言う私もそのひとり。
もともと何冊あったかわからない本を手放して手放して、今やっと300冊ちょっとというところ。
今は比較的片づいた部屋に住んでいるものの、もともと沢山のものを管理するのは苦手なので、油断するとすぐに部屋のあちこちで本が山を作りはじめる……
せめてリバウンドだけはしないように、読み終わった本は極力手放すようにしているけれど、正直むずかしいなぁ、と悩むことも多いです。
身近な人がもらってくれれば大助かりだけど、引き取り手のない本は売るか捨てるかせざるを得ない。
いま市場に流通している本を中古として売ることは、大なり小なり書き手や出版社の不利益になる。
かといって、捨ててしまえばごみになる。
うぅ〜、ザ・葛藤!
そんなこともあって、ごみを減らしつつミニマルに暮らすため、最近はなるべく電子書籍も利用してみるようにしています。
やっぱり紙の本が好きだけれど、使ってみると電子書籍も電子書籍なりの便利さがあり。
広告につられて勢いで申し込んだKindle Unlimitedもそろそろ試用期間が終わるので、この機会に一度、使用感を振り返ってみようと思います。
(2019年8月29日現在の情報です)
目次[展開]
「Kindle unlimited」って何?
皆さんご存知の大手通販サイトAmazonは、Kindle(キンドル)という独自の電子書籍を扱っています。
Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)はそのKindleで提供されている、読み放題サービス。
音楽や映像などで最近よくある定額サービスの、電子書籍版といったところですね。
「無制限」て、なかなか勇気のあるネーミングだと思うんだがどうだろう。
料金は月額980円
料金体系は月払い1択で、月額980円。お得な年払いとかはないです。
でもまぁ、ビジネス書や小説などの単行本なら1冊、雑誌や漫画なら2冊で元が取れる値段設定。
これは個人的には結構お手頃に感じました。
……とかいって、私は3ヶ月99円お試し中なんで、実際にはまだ99円しか払ってないんですけれども。
とはいえ当然のこと、定額制ゆえの制限もあります。
全ての電子書籍が読めるわけではない。
アマゾンさんいわく、このサービスで和書12万冊、洋書120万冊以上が読み放題とのこと。
かなりの冊数だけれど、発売されたばかりの話題の新刊とかは案外カバーしていないことも多いです。
本が読まれれば読まれただけ、Amazonから出版社に対する支払いも多くなるから、このあたりはコストによる調整が働いてるんでしょうね。
それから、読める本は随時入れ替わっているので、昨日まで読めた本がある日突然読めなくなると言うこともあるよう。(私は幸い未体験ですが)
読みたかった本や、気になっていた話題の本を見つけたときは、速攻ダウンロードして読み始めるが吉。て感じかな。
一度にダウンロードできる本は10冊まで
そして読み放題、というと何だか無限にダウンロードできそうだけど、実は一度に端末に落としておける本は10冊までと決まっています。
11冊目をダウンロードしようとすると、どれか1冊返却するように要請されるシステム。
このへん、厳密には本を買うというより、期限なしの電子図書館といった方がイメージに近いかも。
「好きな本ダウンロードしまくれないなんて、なんて不便なんだ!」
と感じる人もいるかもしれないですが、私は使ってみて、案外このシステムの方があってるかも、と思いました。
何故って、紙の本以上に積読しちゃうんですよ、電子書籍。
衝動的に手に取って、そのまま読み損ねて忘れてたりすることがあるのは、紙の本も電子書籍も一緒ですが、紙の本は溜まってくれば目につく、場所を取る、邪魔になる。(酷い言われよう)
物理的な圧迫があるのでどこかの時点で、「あぁ、これ読もうと思ってたんだ」と、再び手に取る機会が得られます。
でも電子書籍は、メモリーの片隅にひっそりといるだけ。
動画や音声と違って、大量でないかぎりメモリーの圧迫もしれてます。
……忘れます。(体験談)
なので、この10冊制限、私には積読本をどんどん消化して、書棚の新陳代謝を上げるのに役立ってくれました。
Kindle Unlimitedのよかったところ
で、実際のところトータル、良かったのか悪かったのか。
結論からいうと、案外良かった。
使ってみると、料金のお手頃さだけでなく意外なメリットを感じました。
① 普段手に取らないジャンルの本と出会う
本屋と通販の比較で、「書店ではリアル空間だからこその偶然の出会いがあるが、最初から必要な本を検索してしまう通販ではそれが少ない」という趣旨のことがいわれたりします。
本屋大好き星人の私はこれまで、がぜんその意見に同意だぜ!
と思っていたのですが、Kindle Unlimitedを使い始めてみると、電子書店ならではの出会いも案外あるなぁ、というのが意外な驚きでした。
電子書籍を使ってみて気づいたんですけど、本屋に行くときや通販で本を探すとき、足を運びがちなエリアって大体決まってます。
でもKindleの画面だと、私の読書傾向に合わせたおすすめ以外にも、話題の本や特集中のジャンルなどが賑やかにバンバン流れてくる。
そうやって「まぁ読み放題だし」と手に取った本が、予想外の拾い物だったり。
むかし流行って気になっていて、でも自意識過剰が邪魔をして手に取るのはためらっていた本が、普通にいい本だったり。
引きこもり読書から一歩踏み出して色んな分野の本を読んでみると、視野が広がって中々たのしいぞ、と、嬉しい誤算でした。
② 雑誌を読むのには最適
雑誌については、読めるものが結構多くていい感じです。
わたしはファッション誌などはあまり読まないのだけれど、それでも十分に目を引かれるものが多くありました。
- Casa BRUTUS、CREAなどのライフスタイル系
- Pen、yom yomなどの読み物系
- オレンジページなどのレシピ系
- Tarzanなどのフィットネス系
他にも、趣味の雑誌やファッション系の雑誌も色々ありました。
雑誌は本の中でも賞味期限が短い媒体ですし、
「立ち読みでは足りないけれど、蔵書として保存しておくほどじゃないんだよなぁ……」
というときに、定額サービスだと必要な情報だけ把握したら手放すということがしやすくて、これは中々に雑誌向きな距離感なんではないかと思います。
ただ、注意点を上げるとすると、やっぱり雑誌は紙面が大きいので、スマホで読むのは厳しいんじゃないかな、と思います。
利用を検討される際は、自分の読みたいものが自分のタブレットで負担なく読めるか、確認してみるといいですね。
③ 読書ノートを作りたい人には激しくオススメ
これは、Kindle unlimitedというよりもKindle そのもののメリットかもしれませんが。
電子書籍ってめっちゃ読書ノート向き!
と感激したので書いておきます。
電子書籍ならではの使いやすさとして
- 紙の本と違って、開いておくのが楽。
- 付箋やマーカー引き放題。(本を汚すことに抵抗のある人向き)
- 付箋したところが一覧表示できる → 後で見返してまとめるのが楽
- 本文コピーやスクリーンショットでの保存ができる
といったものがあると思うのですが、これがホント、スクラップブックや抜書きノート、読書記録をつけるのに便利。
いままでほとんど読書ノートというものを作ったことがなかった私ですが、kindle読書をはじめてから
- スマホで付箋やマーカーを引きながら読む
- 付箋部分を読み返す
- 必要なところだけ切り貼りして、iPadでノートにまとめる
というサイクルが自然と出来上がりつつあります。
情報収集が目的の読書では、こうやって簡単にまとめノートが作れるのは大きなメリットです。
本そのものを読み返すより何倍も効率的だし、記憶の定着にもいい。
ビジネス書を読むときだけでなく、レシピやフィットネスメニューを書き留めたり、旅先の情報をまとめるときにもおススメです。
④ ミニマリスト志向の人におススメ
そして言うまでもなく、ものを減らしたいミニマリストにはとても良いツールです。
自宅の持ち物はもちろんですが、スマホに何冊かダウンロードしておけば、移動時の荷物も減らせるので快適。
私も以前は、遠出するときは必ず何冊か本を持って行っていたので、本のせいで旅行鞄がめっちゃ重たい……腰が痛い……という事態によく見舞われていたのですが、最近はかなり身軽に旅できるようになりました。
あと、「書籍代」という変動費の一部が定額化できるので、家計も少なからずミニマル化できてるのかな。
まぁ、ここは個人差があるかもしれませんが。
Kindle Unlimitedのデメリット
個人的には快適に使っているKindle Unlimitedですが、もちろんデメリットもあります。
電子書籍にない本、登録されていない本は読めない
当たり前ですが、unlimitedに登録されていない本は読めません。
そして、電子書籍がない本も読めないので、やっぱりマニアックな本とかは紙の本が頼りです。
やっぱり紙の本が好き
そしてこれも当然ですが、電子書籍がどうしても苦手という人にはやっぱり不向きです。
私も、スマホやiPadのディスプレイでみるのはやっぱり疲れるな、と思うことがあって、Kindle専用端末の購入を時々迷います。
大昔にSonyのReaderを使っていたことがあるのですが、Kindle Fireでも採用されている電子ペーパーは、見ている感覚が本当に紙に近くて目が疲れないんですよね。
いつかソフトだけじゃなくて端末も、お試しレンタルサービスとかしてくれたらいいのになぁ、とか思ったりします。
それでも、紙の本を読んでいる時の、あの心落ち着く独特の空気。
あれは中々、他で真似するのは難しいものなんじゃないかなぁ、と思います。
Kindle Unlimitedの登録方法
というわけで、気になってたり利用を悩んでいる方は、取り敢えず無料体験でお試ししてみるのがお勧め。
今は確か、3ヶ月299円のキャンペーンもやっていたはず。 (2019年8月29日現在)
手順は簡単ですが、念のため貼っておくと
- Kindle Unlimitedページにアクセスします
- 「30日間の無料体験を始める」ボタンをクリックします
- 画面の指示に沿って、登録を進めます
という感じ。
Amazonアカウントにサインインしていない場合はサインインが。
そもそもアカウントを持っていない場合はアカウント登録が、それぞれ必要です。
そしてそんなことよりも何よりも、継続するつもりがなくても、無料期間中に解約しないと次月から料金発生しちゃいますので、それだけは重々気をつけましょう!
忘れっぽい人は登録と同時に、解約か継続か検討する予定日をGoogle カレンダーとかに登録しておくと良いです。
Kindle Unlimitedの解約方法
で、種々のサービスの例に漏れず、Kindle Unlimitedも解約する場所がちょっと見つけにくいです。
ので、こちらは写真入りでどうぞ。
まとめ
紙の本と電子書籍。
どちらの方が優れている、というよりも、自分が読書に求めるものによって、上手に使い分けていく時代になってきたのかな、と感じます。
雑誌やビジネス書、一般書など、「現代」の文脈の中で消化していくべきものは、電子書籍でどんどん読み散らかして。
時代に関係なく自分の人生に寄り添ってくれる小説や、思索とは、紙の本でゆっくりと対話して。
しばらくは、そんな読書ライフをたのしんでいこうかな、と思います。
おまけ:こんな本を読みました
蛇足ですが、この3ヶ月に読んだ一部をご紹介。
こんなのがあるのか、と、多少なりとラインナップの参考になれば幸いです。
ミニマリスト界隈でめちゃくちゃ有名な、ブロガー筆子さんの『1週間で8割捨てる技術』とヘンリー・D・ソローの『モノやお金がなくても豊かに暮らせる』。
実は読んだことがなかったので、この機会に読めて大満足。
他にも、ミニマリスト関連やお片づけの本はたくさんラインナップされていて、モチベーションを上げたい時にあれこれ読み散らかしたのが楽しかったです。
功刀正行『海の色が語る地球環境 海洋汚染と水の未来』
これ、とても良い本でした。
最初は、海の色からわかる地球環境や色々な生命現象について、海を旅するエッセイのように、わかりやすく語ってくれて。
海への親しみを深めながら読み進める中で、徐々に海洋汚染の現状(2012年のものですが)を知っていくことになる。
海や、海に支えられて生きる私たちの問題を、改めて身近に捉え直させてくれる本でした。
メンタリストDaiGo『後悔しない超選択術』
某実名報道についてのYoutube配信、アツかったですね。
彼のことはよく知りませんでしたが、ちょっと応援したくなりました。
……置いておいて。
同じような内容を繰り返して分厚くしている本が多い中で、意図的に短時間で読めるようにムダを省いている印象の構成が、好印象でした。
内容は、「人はいかに客観的で冷静な選択をできないか」を自覚することで、適切な選択をできるようになろう。という趣旨。
理論と、それを実践に落とし込むためのメソッドがバランスよく盛り込まれていて、中々即効性のある本でした。
佐宗邦威『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(2015年)
同『直感と論理をつなぐ思考法』(2019年)
「いいアイディアを思いつきたい!」という、様々な業種の人の潜在的なニーズに応えようとしてくれている本。
これを読んですぐに何かを思いつける訳ではないけれど、自分の今の思考法を相対化できるから、これを読んでから、自分がどこで何ができなくて迷子になっているのかが、見えやすくなった。
あと、筆者がなんかいい人そう。笑
マガジンハウス『Tarzan特別編集 30日でキレイをつくる 美脚&ヒップ くびれ&バスト 新装版』 これ、今もやってます。笑 全部を順番にやるというより、家事とかしながらしやすい動作をピックアップして、生活の中に取り入れてる感じ。 O脚・垂れ尻が改善されてきて、ワイは嬉しいよ。
香月美夜『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません』
高校生以来のラノベ!
広告を見かけて気になっていたものの、「ラノベしんどいかな」と手が出ずにいた訳だけれど、元がネット小説らしくて、スマホですいすい読むのは案外楽しかった。
こういう気軽さも、読み放題ならでは。
コナリミサト『凪のお暇』
これも広告見かけて気になってたやつ。
ドラマ化されてるような流行りものも意外と出てるんだなぁ、と思いつつ、続きもずっと読み放題で読めるかドキドキしている現在です。(買いなさいよ)
羽海野チカ『ハチミツとクローバー』
流行っていた頃に読み損ねたままだった漫画が意外とあって、見つけるとついついずっと読んでしまう。
これもその内の一冊。
ほわほわ可愛いお話かと思いきや、後半予想以上に心臓に来た。青春がめっちゃ胸に刺さってくるやつ……
だがそれが良い。
J.K.Rawling “Harry Potter and the Chamber of Secrets (English Edition)”
そうそう、忘れてましたが洋書もあります。
洋書って取り揃えてる本屋さん少ないし、取り寄せると時間やら送料やらかかるし、小説は紙で読みたい派の私も、洋書については電子書籍に傾きつつあります。(ペーパーバックとかすぐにボロくなるし)
日本で流行った本も結構転がってるので、英語の勉強のために多読に励みたい人には良いかも。
やっぱり、本を手に取るハードルが下がると、読むものの幅が広がって楽しいなぁ。