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こんにちは、むるまです。
突然ですが、皆さんは日々、お肉やお魚、卵は食べていますか?
牛乳は飲みますか?
このブログを読まれている人の中にはきっと、はい、という人もいれば、いいえ、という人もいるのだろうな、と思います。
それでは、これはどうでしょう。
お味噌汁は飲みますか?
パンは食べますか? お菓子は好きですか?
多分こちらは、Yes と答える人がぐっと多くなるんじゃないかな、と思います。
わたしは、ヴィーガンでもベジタリアンでもありません。
けれど以前、ヴィーガンを巡る議論にふれたとき、こんなことを思いました。
「お肉などとして“犠牲になっている”と明らかな死も痛ましいけれど、
添加物などとして知らず知らず消費されてしまう命は、もっと悲しいな」と。
そうしてそれをきっかけに、日々の食品の中に紛れ込んでいる動物性素材を見つめ直して、 本当にそれは自分にとって必要なものなのか?
改めて考えてみることにしました。
そんなわけで本日は、何気なく摂取している動物性食品を、なんとなーく植物性にしてみたわたしの Tips から、一部を整理してご紹介します。
だしは日本人の心なのか
私たちの日々の生活を支えてくれる日本食。
野菜が多い日本食は、一見すると、簡単にヴィーガンに対応できそうに思えます。
しかし実際のところ、汁物にも煮物にも多くの場合使われている出汁は、動物性食品に由来することが少なくありません。
鰹節、いりこ、魚のアラ……
日本人の心と言われる出汁ですが、果たして本当に、どんな料理にも必要不可欠なものなのでしょうか?
考えてみて、そんなことないんじゃないかな。と、個人的にはそんなことを思いました。
確かに出汁は美味しい。
けれどその美味しさは、素材の味を大切にする心からきているものです。
日本の食卓には、やたらと手を加えるのではなく、素材を活かした素朴な味を楽しむ豊かさがあります。
だから、シンプルに煮たり焼いたり蒸したりしたお野菜に、塩を一振り、醤油をひと回し。それだけで十分にご馳走になるものがたくさんあることを、私たちは知っています。
とはいえ、食材によっては単独では旨味に乏しいものがあるのも事実。
そんなわけで以下では、そんな食材を出汁なしで美味しくいただくためのひと工夫をまとめてみます。
困った時のキノコ、海藻、トマト
植物に含まれる旨味の多くは、昆布にも含まれるイノシン酸といわれるもの。
栄養素は食材によってそれぞれなので、当然中には、このイノシン酸が少ないお野菜たちもあります。
その代表格が、じゃがいもや豆類など。
こうした食材は、旨味成分の豊富な食材と一緒に調理してあげると、冷めても常備菜にしても美味しくいただけます。
そしてそんな食べ合わせの工夫は、昔から定番になっているメニューの中から見つけ出すことができます。
たとえば、大豆とひじきの煮物だったり。じゃがいもとしめじの炒め物だったり。
キノコ、海藻の類は、イノシン酸がたっぷり。
これ自体が優秀なお出汁になる食材です。
そして野菜の中で便利なのがトマト。
トマトといえば洋食や中華のイメージがありますが、たとえばお味噌汁の具として入れても、たっぷりの旨味と夏にぴったりの爽やかさで、食が進みますよ。
発酵調味料は旨味調味料
そして便利なのが、醤油やお味噌などの発酵調味料。
製造過程で発酵したこれらの調味料は、それ自体がアミノ酸たっぷりの旨味調味料です。
一時期流行った、塩麹や醤油麹なども、やっぱりその旨味が人気でしたよね。
一々ソースなどを作る手間なく、こうした美味しい発酵調味料をいつでもすぐに使えるのは、日本に暮らす大きなアドバンテージだと思います。
生かさない手はありません。
出汁なし、塩のみでは物足りないと感じる時は、積極的に発酵食品の力を借りましょう。
油揚げは日本のベーコンだと思う
洋食のスープや炒め物などで、旨味を出す出汁的な役割をしばしば担うのが、ベーコン。
これに代わる食材になるのでは? とわたし勝手に思っているのが、油揚げです。
湯通しは表面の古い油を落とすため、さっと熱湯をかける程度にとどめて、油揚げそのものの油を生かしてこんがり焼き付けて。
塩と胡椒でしっかり目に味付けをしてあげれば、食べ応えのある食材に早変わり。
お野菜などと一緒に炊いてあげれば、旨味をぎゅっと集めて、噛むたびにじわーっと美味しいエキスが染み出します。
ベーコンとはちょっと違うけれど、脂っ気のある旨味が欲しくなった時には、便利なアイテムではないでしょうか。
奥の手にスパイス
最後に、旨味とは別方向のアプローチになりますが、スパイスを足してあげるのも、料理の美味しさをぐっと奥行きのあるものにしてくれるいいアイディアだと思います。
たとえば、じゃがいもは炒めた後に、塩と一緒に軽くクミンを絡めてあげると、風味が増してめちゃくちゃ美味しくなります(単にわたしが好きなだけ)。
他にも、色々なスパイスがバランスよく調合された、カレー粉や七味も便利なアイテム。
ちょっと物足りないな、という時はぜひ、スパイスの存在も思い出してあげてください。
パンを選ぼう
普段から何気なく食べるもので、動物性食品が高確率で含まれているものはたくさんありますが、パンはその代表格かな、と思います。
毎朝の朝食に食パンを食べる方も多いかと思いますが、食パンの多くは、牛乳、バター、卵と、畜産製品を贅沢に使った食品です。
とはいえ、「ヴィーガン向けのパン屋さんなんてそうそう近くにないよ」という方も多いはず(わたしのことですが……)
しかし、植物性を諦める必要はありません。
パンには、そもそものレシピに動物性食材を含んでいないものも少なからずあります。
たとえば、バゲット、カンパーニュなどのフランスパン。
最近は、大手メーカーの商品ではバター入りを売りにしているものなどもありますが、そもそもの基本的なレシピは、小麦粉と水と塩、砂糖それからイーストのみです。
そしてヘルシーさが売りのベーグルも、材料の内訳は同様。
また、ドイツ系のハードブレッドや、ライ麦パン、田舎パンなども、乳製品や卵は含まれていないものが多いです。
毎朝食べるパンも、「どうしても食パン!」というこだわりがなければ、実は植物性にシフトするのは、そう無理な話でもないのですね。
お菓子を選ぼう
一昨年スーパーをうろついていたときに、「まじめなおかし」というコピーに目を引かれた商品がありました。
ミレービスケットというお菓子で、成分表を見る限り、多分「余計なものを含んでいない」という真面目さなのかな、と伺えました。
乳製品も卵も含んでいないから、子どもも安心して食べられるよ、といったアピールがされていましたが、
なるほど、逆にいうと、アレルギーに配慮された商品は、ヴィーガンの人にとっても手に取りやすいのかな?
といったことを考えたのを覚えています。
そういう目線で市販のお菓子を眺めてみると、本当に、わたしたちは意識していないうちに色々な動物性食品を口にしているのだな、と気付かされます。
他にも、自分でお菓子を作るときに、牛乳は豆乳じゃ駄目なのか?(とか言ってるわたしは豆乳アレルギーなのですが……)
ゼラチンは寒天じゃ駄目なのか?
バターはココナッツオイルで代用できないか?(マーガリンは健康の面からはお勧めしません)
と考えてみることは、自分自身の食生活と動物性食品の関係を見直す、いいきっかけになるのでは、と思います。
たとえば1週間とか、1ヶ月とか、期間を切って、成分表に目を光らせる生活を送ってみるのも、色々な気づきに繋がるかもしれませんね。
まとめ
よく、「感謝していただこう」という言葉を耳にします。
わたしも、幼い頃に通っていた幼児園で昼食やおやつの際に、家族や農家の人たちに感謝の言葉を述べてから「いただきます」をいう習慣があったのでけれど、いまでも意識の無意識に近い部分に、その感覚が刷り込まれている気がします。
しかし感謝は、気づきのないところには生まれません。
日々の恵みに捧げる思いは多分、無自覚に食しているものたちのところにまでは届かない。
残念ながら今の世界は、色々なことが複雑になりすぎて、見えないことが多くなってしまっています。
それでも、どんなものに対しても、自分の消費に、なるべく自覚的でありたい。
そういった意味で、食品に「含まれているもの」を見つめ直すことは、わたしにとって大きな学びの機会になりました。
皆さんもぜひ一度、自分の「なんとなく消費」を見直してみてください。
食べ物の奥の深さにくらくらしたり、食材のポテンシャルに改めて気づいてワクワクしたり、きっと面白い体験になると思いますよ。