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草木染めのたのしみ【簡単たまねぎ染め】

こんにちは、むるまです。
先日、ひさしぶりに染め物遊びをしました。
野菜の皮を使った草木染めは、身近な材料でできる、シンプルだけどたのしい手仕事。
何だろう。
疲れてささくれた心がじんわりとゆるむような、おだやかで心地よい時間を過ごすことができました。

そんなわけで本日は、たまねぎの皮を使った染め物のやり方について、シェアします。

たまねぎの皮で布を染めよう

たまねぎの皮は、草木染めの中でも有名な染料のひとつです。
それ自体が身近な食品であるだけでなく、媒染に使うミョウバンも料理などで馴染みがあること。
心がはなやかになるような鮮やかな発色を楽しめることが、人気の理由でしょうか。

そんなたまねぎ染めに必要なアイテムは、台所を見渡せば手に入るものばかり。

  • 染める布(天然素材に限る)
  • たまねぎの外皮
  • お鍋(ステンレス製ホーロー製に限る)
  • 輪ゴム(模様を作りたい場合に使用)
  • ミョウバン
  • たっぷりのお水

以上。
それでは、たまねぎ染めの実際の流れについて見ていきましょう。

下準備

今回染めたのは、サラシで作ったこちらの東袋。
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色ムラなく綺麗に染めるためには、精錬といって、あらかじめ布を煮洗いしてあげるとよいとされています。
一見まっ白に見える布にも、目に見えない細かな油汚れなどがついているもの。
洗剤を溶かしたお湯の中で洗ってあげることで、その汚れが落ち、色が入りやすくなるというわけ。

……なのですが、面倒くさいので今回は省略!!
代わりに、布を水でしっかり濡らしておきます。(これを地入れといいます)
模様もあったほうが楽しそうなので、一部は染料が入らないように、輪ゴムでくるくる括って。

さて、下準備は完了です。

たまねぎの皮で染料作り

いよいよ染料作りです。
大きなお鍋に水をたっぷり張って、よく洗ったたまねぎの皮を入れます。
今回は、800cc 程のお鍋に、たまねぎ3個分の外皮を投入しました。

ムラなく綺麗に染めるには、たっぷりの染料に浸してあげることが大切。
なので、お鍋はもっと大きくていいくらいなのでしょうが、まぁ、我が家はお手軽第一なので、気にしない、気にしない。

それでも気にすべきことがあるとすれば、一番はお鍋の材質です。
鉄やアルミ、銅などのお鍋を使うと、染料と金属が反応して、想定外の色になってしまうことがあります。
なのでお鍋は必ず、ステンレスホーローのものを使うようにしましょう

また、使うたまねぎの皮は多ければ多いほど、出来上がりの色は黄色から徐々に茶色寄りになっていきます
こだわり派の人は、水とたまねぎの皮の重さをきっちりと量って、自分の好みの比率を探ってみるのも面白いかもしれませんね。

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鍋を火にかけたら、湯が煮えるのを待ちます。
この日はあたたかったので、沸騰する手前で火を止めて、30分ほど放置してみることに。
それだけでお湯は十分色づいているように見えましたが、念のためもう10分ほど弱火でくつくつとにて、じっくりと色素を煮出しました。

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茶色がかっていたたまねぎの皮も、すっかり色が抜けて美しく透き通っています。

布を染める

さて、染料ができたらいよいよ染色です。
たまねぎの皮を取り除いた染液に、ざぶんと布を浸け、10分ほどゆらゆらと泳がせます。
わたしは横着して菜箸を使ってしまいましたが、尖ったものでうっかり布を傷めてしまうのが心配な場合は、しゃもじなどを使うのがベターです。

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媒染する

ある程度色が入ったら(このへんの加減はお好みです)、染液から布を引き上げ、水を張ったボウルに入れます。
軽く振り洗いして余分な染料を落としている間に、今度は媒染液の準備を。

お鍋に再びお湯を沸かして、今度は大さじ2杯ほど(分量は適当です。えへ。)のミョウバンを溶かします。
よく解けたら、ここへ軽く絞った布を投入。
布に均等に媒染液がふれるように、時折布を広げて泳がせながら、30分ほど浸け込みます。

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媒染液に浸した直後から、赤茶色だった布が鮮やかな黄色に変化しました。
これは、ミョウバンに含まれるアルミニウムとの反応によるものです。

媒染は色止めとも呼ばれるように、繊維への色素の定着をよくしてくれる大切な工程ですが、使う金属によって発色の仕方が異なります。
鉄や銅を使った場合は暗めの色合いになるらしいので、興味のある方はぜひ調べて試してみてください。

煮洗いをする

しっかりと色止めができたら、最後に余分な染料を洗い流します。
この時、水で流すだけでなく、少量の洗剤を溶いたお湯で10分ほどに洗いしてあげると、次回以降のお洗濯で色移りの心配がなくなるので、おすすめです。
よくすすいで絞ったら、陰干しして完成です。

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おまけ:絹化のはなし

ちなみに、今回は木綿の布を染めましたが、同じ天然素材でも、木綿や麻といった植物性の繊維と、絹やウールといった動物性の繊維とでは、染まりやすさが異なります。
これは、双方の繊維に含まれる蛋白質の過多によるもので、蛋白質を多く含む絹やウールの方が、より染料に染まりやすいことが知られています。
こうした性質を応用して、木綿や麻を染める際の下処理として行われることがあるのが、絹化(けんか)という工程。
作業自体は簡単で、豆乳など、蛋白分の豊富な液に布を浸してあげることで、染まりをよくしてあげます。

ご自宅に豆乳などがある方は、絹化した布としていない布で、染まり具合を比べてみるのもたのしいかもしれませんね。

まとめ

そんなこんなで、どんな染まり上がりになるかはお楽しみー、の、適当たまねぎ染めは終了です。
最後に注意点として、天然染料は紫外線で退色しやすいので、陽が燦々と降り注ぐ中で干さないようにねー、と改めてお伝えしておきます。
気をつけないとこんな感じで、日の当たったところとそうでないところで、くっきりと色の差が出ちゃいますからね(お前かい)。

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以上、お粗末さまでした。