Reach Out to Ecology

ひとりでも多くの人に、手の届くエコを。

ごみ出し上手は暮らし上手【マシンガンズ滝沢さんの本を読んだ】

こんにちは、むるまです。
以前、Twitter でこんなつぶやきをしたことがありました。

f:id:murr-ma:20210422110729j:plain

ごみ出しのとき、袋いっぱいに詰めず八分目を心がけるようになったきっかけは、マシンガンズ滝沢さんのツイート。
そんな滝沢さんがご本も出しているらしいと知って、ずっと気になっていたのですが、先日やっと『このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景』(エッセイ)、『ゴミ清掃員の日常』(漫画)の2冊を読む機会に恵まれました。

というわけで本日は、滝沢夫妻の著作から教えてもらったたくさんのゴミ知識の中から、特に印象深かったものをご紹介したいと思います。

可燃ごみと不燃ごみ

いまほど分別が細かくなかったむかし、家庭ごみは大きく可燃ごみと不燃ごみに分けられていた記憶があります。
最近は焼却炉の処理能力も上がったため、以前は不燃ごみだったけれど現在は可燃ごみになっているアイテムも少なくありません。
わたしが住む京都市では、そもそも「不燃ごみ」という分類自体がなく、資源ごみ、小型金属ごみ、大型ごみ、小型家電以外は「家庭ごみ」にひとまとめにされています。

可燃ごみが不燃ごみに分別されてしまうことによる不都合は、埋立地がすぐにいっぱいになってしまう、ということが挙げられると思います。
それでは、不燃ごみが可燃ごみに分別されてしまうことには、どんな不都合があるのか? ゴミ清掃員の日常』では、こんな衝撃的な事情が紹介されていました。

焼却炉の中に燃えない不燃ゴミが溜まると火を止めて 手作業で不燃物をかき出す清掃工場もあるらしいぞ
そんで作業を終えて もう一度火をつけるのに……200から350万円かかるという
これらは税金でまかなわれる

不燃ゴミ処理のための作業を一回するだけで、200〜350万円の税金が失われる……
そうと知ってしまうと、ごみの分別というごく小さな作業が、とても責任重大なことに思えてきます。

そして、分別において一番難しいのは、分別のルールは各自治体によって異なるということ。
最近では、ごみに出したいアイテムが何に分別すべきものなのか、簡単に調べられるサイトやアプリを提供している自治体も増えてきています。
わたしが住む京都市も、調べたらこんなサイトを作ってくれていました。

京都こごみネット

他の様々な知識と同じように、ごみ分別に関する知識も、人から聞いたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、「自分の住んでいるところではどうなのか?」とその都度調べる姿勢が大切なのでしょうね。

うっかりしやすい不燃ゴミ

可燃ごみ、不燃ごみの分別については、「なるほど! 言われるまで気づかなかった……」と感じる、うっかりしやすいアイテムも紹介されていました。

たとえば、使い捨てカイロ
これは中身が鉄の粉なので、自治体によっては不燃ごみでの回収となっているとのことでした。
ちなみに我が京都市では、カイロは燃えるごみ。
やっぱり多少面倒でも、「あれ? これは何ごみかな?」と疑問に感じたら、その都度調べるのが大切ですね。

ペットボトル周りのこと

ペットボトルは、良質なリサイクル資源として知られています。
しかし PET 素材が使われているのは本体のみ
蓋とラベルは別素材なので、混ざってしまうと、リサイクルの純度が下がってしまいます。

しかし街中のごみ箱などでは、キャップやラベルなどが付いたままのボトルをよく見かけます。
そうしたボトルは、どうやって分別しているのか?
なんと、清掃員さんが工場で、一つひとつ手作業で外しているというのです

うー、考えただけで大変。
特にペットボトルの量が多い夏場には、腱鞘炎になる人もいるとのことでした。そりゃそうだよね。

ペットボトルが分別回収されているのは、リサイクルのため。
質のいいリサイクルを行うためには、異物の混入を避けることが重要です

そのためにわたしたちができるのは、

  • ボトルを捨てるときは、PET 素材か PET 以外か、表示をしっかり確認する
  • ペットボトルはキャップとラベルを外して捨てる
  • しっかりと汚れを落として捨てる

というあたりかな、と思います。
調味料の容器でも、稀に PET 素材のものがありますが、汚れが取りきれない場合は可燃ごみ(地域によってはプラスチックごみ)に分別するのが適切では。とのことでした。

一度に出せるゴミは何袋?

ゴミ清掃員の日常』には、己の無知を反省させられる情報もたくさん詰まっていました。
たとえば、一度に出せるゴミ袋の数
なんとこれ、3、4袋まで(数は地域によって違う)と上限が決まっているらしいのです
し、知らなかった〜!!(ごめんなさい〜汗)

考えてみたら当たり前ですよね。
収集車に収まるごみの量には限りがあるので、一度にたくさん出されたら、回収しきれなくなりかねません。
なので、大量のごみを一度に出すときは、清掃事務支局に電話をかけて、有料シールを貼って回収してもらわないといけないそうです

まぁ、なるべくならお世話にならないよう、ごみは少なく暮らしていきたいところですが。

そもそもゴミが多すぎる!

ごみの量については『このゴミは収集できません』で、胸に刺さる現状が語られていました。

まず、そもそものゴミの量。
わが国の一人当たりの年間ごみ発生量は、ダントツの世界一位だといいます。
具体的には、日本が320kg、2位のフランスが180kg(いずれも2018年時点)と、2倍近い差をつけているとのことで、なんともめまいがするような数字です。
加えて焼却炉の数もぶっちぎりの1位で、日本が1243カ所、2位のアメリカが351カ所というから、最早言葉もありません。

そして恐ろしいのは、それだけの焼却炉で一生懸命たくさんのごみを燃やし続けて、処理したごみを減らしに減らしても、東京の埋立地はあと50年しかもたないということです。
なんてこったい。

ごみ先進国の姿

エッセイではそんな日本の現状と比較して、ごみ先進国であるスウェーデンの施策についてもふれられていました。
いわくスウェーデンでは、商品を作り出す企業がごみまで責任を持たねばならず、リサイクル、廃棄に関わる費用を全て負担しなければならないという法律があるのだとか
そのため、ものを売る段階で余計なごみが出ないような企業努力が促進されているらしいのです。

日本の容器包装リサイクル法も、本来は企業に容器包装の責任を負わせるというコンセプトのもとに始まったものですが、現状をみる限り、実効性には乏しい印象です。
参考:日本容器包装リサイクル協会

また、デンマークでも、使い捨てのお皿やスプーンに30%の課税をかけることで、余計なごみの発生を抑制しているとのこと。
日本でもこんなふうに、「ごみを出すのは不利益が大きい」ということが、誰にとってもわかりやすく感じられるような仕組みづくりが必要なのかもしれません。

生ごみの80%は水分

とはいえ、国が何かしてくれるのを待ってばかりもいられません。
すぐできる身近な取り組みとして、一人ひとりがごみを減らす努力をすることも、やはり大切なのだと思います。
具体的には、

  • 余計なものを買わない(本当に使うか? と自分に確認)
  • ものを買うときは手放す時のことまで考える(人に譲れるか? 捨てるなら何ごみ?)
  • 期限内に食べきれない量の食べ物を買わない
  • 賞味期限に注意!
  • ……するけど、賞味期限が多少切れても食べられることは知っておく
  • ごみの分別をきちんとする
  • 生ごみは可能であればコンポスト。無理ならなるべく乾燥させて捨てる

などなど、日常の小さな工夫や習慣づくりが、ごみの減量につながります。

中でも、エッセイを読んでいて印象的だったのは、生ごみの80%が水分という事実。
そのため、生ごみをそのまま出さず乾燥させてあげれば、ごみの軽量・少量化につながりますし、焼却時のエネルギーも少なくて済みます。
加えてショッキングだったのが、通称「ゴミ汁」の存在。
清掃車の中でごみから押し出されて溜まった水分、通称ゴミ汁が、回転板が回る際に飛び出して、清掃員さんにかかることがあるらしいのです。
ギャー!

清掃員さんに無用の苦労を強いないためにも、ごみの水分、気をつけたいものです。

清掃員さんに愛を

エッセイと漫画を読んで、清掃員さん、本当に大変なお仕事だなぁ、としみじみ思いました。
そして、その大変さを増すも減ずるも、ごみを捨てるわたしたちの意識次第なのだな、ということも改めて感じました。

たとえばビーズクッション
そのまま捨てると、回転板が回る時に破裂して中身が飛び散るので、一部では「爆弾」とあだ名されているのだとか。
マイクロプラスチックの原因にもなりますし、廃棄する時のことを考えると、これって中々に問題の多い商品だと思います。

そして同様の爆発は、普通のごみ袋でも起こります
ごみ袋が破裂して中身が飛び散ったら、清掃員さんには、飛び散ったごみを集めるという新たな業務を押し付けてしまうことになります。
だからごみは、あまり袋にパンパンに詰めず、ゆとりを持たせて。
口はしっかり縛るけど、空気の通り道は残して。

それから、ごみ収集業務は、四季も天気も関係ありません。
雨の日の畳や段ボールはコンクリートのように重いし、雪が降り積もる日はごみが埋もれて見つけにくいし滑るし、炎天下の収集は熱中症の危険と隣り合わせだし
それでも、ごみが出されていれば清掃員さんは回収して回ってくれます。

せめて急がないごみであれば、悪天候の時は避けて出すだけでも、清掃員さんたちの仕事も少しは楽になるのではないかしら。
尖ったごみは袋を突き破ると危ないから、新聞紙などでしっかり包んでから捨てよう。
そんな想像力を働かせることが、彼らの大変さに報いられる数少ない手段なのかもな。なんてことを思いました。

まとめ

ごみ出しで難しいのは、地域毎にルールが違う点。
けれど滝沢さんの本は、細かなルール以前にまず大切な、消費者として、市民としての責任を思い出させてくれました。
ごみが出るのは、自分の消費行動の結果です
だから本当は、ごみを出す時でなく何かを買うときから、それがごみになった時のことを考える必要があるのだと思います。

実際わたしも、ゼロ・ウェイストを意識し始めてから、無駄なものを買うことがなくなり、家計にも以前よりゆとりが持てるようになりました。
ごみは暮らしを移す鑑。
今回はごみを通して暮らしを見直す、よい読書時間をいただきました。

■滝沢さんのエッセイ


■滝沢夫妻のマンガ