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ふるさと納税を環境問題から考えてみた【国産/産地直送/使徒の見える税金】

皆さん、ふるさと納税を利用されたことはありますか?
税金を自分が応援したい市町村に寄付した後、所定の手続きをすれば、住民税の控除や所得税の還付が受けられるこの制度。
寄付額の3割程度の価格に相当する「返礼品」が貰えるとあって、節税目的で活用している方も結構いらっしゃるかと思います。

私自身、かれこれ4、5年は利用していますが、改めて振り返ってみると、その間に活用の仕方が随分と変わったことに気づきました。
特に、環境問題に積極的に取り組むようになってからは、自治体や返礼品を選ぶ目線はガラリと変化しました。

誰もがやってみて損はないふるさと納税。
本日は私の、活用法の変遷についてまとめてみます。

最初は節税・節約目的でした

ふるさと納税を始めた当初。
私の頭の中にあったのはとにかく、「いかにして無駄な出費を抑えるか?」でした。

ふるさと納税は、住民税と差し引き0になる限度額内で利用すれば、納める税金の額は変わらず、オマケに良いものが貰える、ただただお得な制度です。
高級肉や高級フルーツを楽しむ人々を横目に、私が選びまくっていたのは日用品や生活必需品
毎日消費するお米やコーヒー、お茶っぱ、各種調味料に始まり、現在も使い続けている十得鍋セット洗えるスリッパちょっといい茶筒座布団などは、いずれも返礼品として頂いたものです。
仕事で留守がちでさえなければ、産直野菜などの生鮮品も頼んで、食費の節約に励んでいたと思います。

この頃は正直、自治体の説明や、税金の使い道には無頓着でした。
時々気まぐれに「子育て支援」、「環境保全」的な選択肢にチェックを入れることはありましたが、基本的には「町長にお任せ」してばかりいた気がします。


十得鍋セットは、初めてのふるさと納税で頂いた超実用品。コンパクトに収納できて、煮込み料理向きで、我ながら良いもん選んだな、とは思っています。新潟県は燕市、宮崎製作所さんの国産品だしね。(これを頂くまで、燕市が金物で有名だということにも無知でした)

環境対策目線の選び方

しかし、2019年に環境問題に対する具体的な取り組みを始めてから、ふるさと納税って実は、環境対策支援的にも結構使えるのでは?
と意識するようになりました。
具体的に見ていきましょう。

① 産地直送 → 輸送コスト削減

温室効果ガス排出を気にし始めると、通販利用に伴う運搬コストが気にかかるようになります。
環境負荷の小さなもの選びをしたいけれど、肝心の商品が自分の生活圏では売られていない。
ならば通販に頼るか。
でも、その「モノ」を選ぶことによる良い効果と、遠くのお店から遥々輸送してもらうことによる悪影響と、どっちが大きいの?
むむむ……

と、簡単には答えの出ない難題に頭を悩ませることもしばしば。
そんなとき、ふるさと納税で自分の理想に叶う商品を見つけられれば、製造元から自宅まで直接配送してもらうことができます
これは、通販会社という仲介を経ない分、余計なエネルギー消費が抑えられるということ。(ケースバイケースかもしれないけれど)
ささやかかもしれませんが、そのささやかなことに頭を悩ませている身としては、ありがたいシステムです。

② 国産品の支援ができる

そして、店頭であれオンラインショップであれ、一般的に、国産品を買おうと思ったら、たくさんの商品の中から頑張って探し出す必要があります。
この点、基本的に地元の産物を返礼品としているふるさと納税では、簡単に国産品に巡り合うことができます
勿論中には、海外企業の日本支社があって、そこの輸入品を出してます、という例や、国産だけど原料は海外調達で、といったお品もあるので、内容には吟味が必要ですが。
それでも、普通にお買い物するのと比べると、やっぱり打率はかなり高い。

私の最近のヒットは、長野県産のくるみです。
ゼロ・ウェイストに取り組み始めて、小包装のおやつを控える代わりにナッツを食べる機会が増えていた私。
でも色々調べていく過程で、輸入ナッツの多くが栽培されているカリフォルニアでは、ナッツ栽培による旱魃が問題になっているということを知りました

link

あかんやん!!

……そうして輸入ナッツから距離を置くようになってから、いい感じの国産ナッツを探し求めて辿り着いた、信州のむきクルミ
今まで食べたことのあるクルミとは別次元の味わいの深さと香りの良さに、現在、環境負荷云々そっちのけで夢中になっております。(ヲイ)

これは名前に偽りなくめちゃくちゃ美味だったけどバリバリプラ包装(トレー入ってるタイプ)だったので、次はもっと簡易包装のを探して頼んでみるつもり。

そして楽しいのは、ふるさと納税なら、ネットショップなどを持っていない地域の小さなお店・会社の商品も知ることができること
エシカル商品というと、どうしても有名な海外ブランドに目がいってしまうこともありますが、プロモーション不足で知られていないだけで、実は意外と身近なところにいいものがあったんじゃないか!
という出会いに恵まれることもあります。
国内でも、自分の住んでいる近くの自治体に素敵なお店を見つけられれば、より地産地消に近いかたちの消費を実現していくことができます。(ふるさと納税の専門サイトでは、自分の応援したい自治体から、返礼品を探すこともできます)

店頭や通販で探してみて見つからない時は、ふるさと納税で調べてみる。
ひょっとしたらそれも、これからの新しい通販(?)のかたちになるかもしれません。

③ 商品づくりの背景を知ることができる

ふるさと納税の商品説明は様々。
物によっては、「通販サイトの方が詳しいよね?」という淡白さを発揮しているページもありますが、こだわりのあるお品であるほど、品物について、そしてそれが作られている環境や背景について、熱く語ってくれているページも少なくありません。

私が「菜の花エコプロジェクト」という取り組みを知ったきっかけも、ふるさと納税のページでした。
パームヤシ栽培による環境破壊や、トランス脂肪酸の含有による健康への懸念などが問題になっている、食用油。
環境面でも健康面でも使いやすい油はないかなぁ、と、国産品を目当てにふるさと納税のサイトを見ていたとき、菜の花栽培を中心とした地域循環型プロジェクトの一環として、菜種油を生産している自治体が多くあることに気づきました。
「菜の花エコプロジェクト」では、休耕地や生ごみ堆肥を活用して菜の花を育て、食用油を作ったり、その後の廃食油を軽油代替燃料として利用したり。中には、障害者の就労支援を組み込んでいるところもありました

日々の生活の中、一般に流通している菜種油は輸入品が9割
こういった商品を目にする機会は、たぶん観光で道の駅を訪れた時や、物産展、セレクトショップなどでの出会いに限られると思います。
そして、旅先で一瞬目にするそんな品物たちも、遺伝子非組み替え品種、無農薬、圧搾法などのこだわりや、地域への貢献といった背景まで知ることがなければ、「うーん、ちょっと高いなぁ」で通り過ぎてしまうことも多いのではないでしょうか。(私はやりがち)

ふるさと納税では、そういった地域の取り組みを知り、自分が支援したい品物を選ぶことができる。
「買い物は投票」という感覚にフィットした物選びがしやすい仕組みだと思います。

放射性同位体元素セシウムは水溶性で、菜種油には移行しないということもあってか、被災地の復興の一環として菜の花を栽培しているところも少なくないようです。ニュースにはならない地域毎の地道な取り組みを知るのにも、実は良い媒体なのかもしれません、ふるさと納税。

④ 税金の使い道が見える・選べる

消費税、所得税、住民税、車税等々……
私たちは日々、様々なかたちで税金を納めていますが、その使途について自分の意見を反映させられる機会は決して多くありません
選挙のときに、自分の考えに近い人に投票したりするのがせいぜい。
それですら、どの程度実効性があるかというと微妙かな……と感じてしまうことも少なくないのが現実です。

しかし、ふるさと納税をした際には必ず、「寄附金の使用目的」を選ぶページがあります。
内容は地域毎に微妙に異なりますが、文化の保全、子育て、福祉、自然保護、地域活性化、そして選べない人のための「市長(町長)にお任せ」といった項目が多いです。
そして、そういった項目毎、実際にどれくらいの寄付が集まり、どういった活動に役立てられたのか。ふるさと納税が始まって数年が経過した現在では、多くの自治体はそれらの実績をきちんとホームページで公開してくれています。

ふるさと納税での寄付は、ただ「返礼品が貰えてお得」なだけのものではなく、
これまで、使い道が選べないまま納めていた税金の一部を、自分が応援したいと思えるような相手と事業に、振り向けることができるものでもあります。

もちろん、災害支援などの目的で、返礼品なしで全額寄付に充てられるようなプログラムもあります
私は、特にほしいものがない時期は、「支援もしたいし、節税にもなるし」と思って、何となくそういった寄付をふるさと納税でしていたのですが。
「そうか。これって、税金の使い道を自分で選べてるってことだよね」と気づいたときは、とても嬉しい気持ちになりました。

困っている人のところに、適切に再配分されて欲しいと望んで預けたお金。
どうせなら一円でも多く、人のためになることに使われて欲しいものですよね。

ゼロ・ウェイスターの憧れ、徳島県上勝町。直接視察にも応援にも行けないけれど、ふるさと納税ならできる! とミーハーにクラフト・ビールを申し込んだのは私です……えへ♪

まとめ

「節税」の面ばかりが取り上げられがちなふるさと納税ですが、本来のコンセプトは、「今は離れているふるさとを支援したい」という気持ちに寄り添うものです。(たぶん……)
そう思って改めて考えてみると、生産者と消費者が比較的直接的に繋がれるふるさと納税という制度は、商品だけでなく、その背景にある思いや取り組みも含めて選びたいと思っている人にとっては、中々に使いどころのあるものだと気付きました。

こういうことに思い至ったのも、この一年もの選びに悩み尽くしてきた成果(?)なのかも。
もの選びや消費の目線が変わるというのは、それだけ、生活者としての視点に大きく影響することなんですね。

刻々と変わっていく世の中では、中々「絶対の正解」なんて見つけられませんが。
今の自分にとっての最適解を常に探し求めることで、自分も、世の中も少しずつ、良い方に変わっていければいいな。
なんてことを期待してしまう日々です。