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2代目キエーロをご紹介します【一人暮らしのベランダコンポスト】

お久しキエーロ。
さて、今春に引っ越しを終えたわが家ですが、一緒にお引っ越し予定だった初代キエーロ(コンポストの一種)を破損してしまった……という残念なトラブルのため、4月は久々にコンポスト・レス生活を送っていました。
それでも、野菜の可食部を食い尽くしたり、ベジブロスを作ったり、
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毎日出るコーヒーかすをあれこれ再利用したり
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果てはお茶殻まで食べはじめたり
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あの手この手でごみ削減を試みた成果もあり、4月期の生ごみ量は400ccのヨーグルトパックに収まる程度。
ちょいちょい振りかけていたコーヒーかすの脱臭・除湿効果もあり、特に匂いや虫の発生に煩わされることなく、普通に台所の一角に置きっぱなしで乾かして過ごせていました。
ごみの量自体はぐっと減った状態で、キエーロ導入前のシステムに逆戻りしたかたちです。 www.murr-ma.work
とはいえ、保管してあるヨーグルトパックも限りがあるし、購入する食品によってはドカッとごみが出ることもあるし、やっぱりコンポスト再開したいなぁ。
でも新型コロナの影響もあってホームセンターとか行きにくいしなぁ。
手持ちのもので何とかならんか。

あれこれ考えていたとき、ふと「これ使えるんじゃない?」と目についたのがこちら。
フルーツグラノーラの空袋

商品を手にとってみたことのある方ならわかると思うのですが、この手の袋って商品がたっぷり入るように底面のマチが広く取ってあって、しっかりと自立するんですよね。
試しに使ってみたら、中々いい感じでした。

以下、空袋での簡易コンポストを試しての感想のみ、簡単にまとめてみました。
キエーロ(コンポスト)全般についての説明は、以前書いた記事や他のサイトさんをご参照いただければ幸いです。

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空袋コンポストのメリット&デメリット

空袋に土を入れただけの超簡単仕様。
「そこに空袋があったから」というだけの理由で衝動的にはじめた空袋コンポストですが、使いはじめてみると、少なからず意外な利点があることがわかりました。
このへんの感じ方は使う人によって変わってくるかもしれませんので、わが家の状況を共有しつつ整理します。

メリット① 持ち運びが簡単→生ごみを入れる容器が不要

「コンポストを持ち運ぶってどゆこと??」
と思われた方。疑問はごもっともです。

通常、コンポストに生ごみを入れる際は、何らかの容器に入れた生ごみを、コンポストの設置場所まで持って行くのが一般的です。
ですが、現在のわが家の運用はその逆です。
ベランダに置いておいたコンポストの袋をキッチンに持っていって、ごみ受けに溜まったごみをそのままポイ
コンパクトな空袋キエーロならではの技(?)です。

使いはじめてから気付いたのですが、これ、中々快適です。
狭い台所なので、生ごみを入れておく容器が不要になるのは地味にいい。
また、台風や強風でベランダに物を置いておくのが心配なときは、すぐに室内にお迎えすることができるので、防災的にもプラス。
有事の対応のしやすさは、システムの持続を考える上で大切な要素ですよね。

メリット② ジッパーがついている

光と通気性と程よい水分がその働きに不可欠なキエーロ。
食品の空袋は密閉性が高いため、基本的にジッパーを閉めて使うことはないよな、と思っていました。
でも、ジッパーがついていることには、物理的にも心理的にもメリットがあることがわかりました。

ジッパーを閉めれば当然のこと、中身が飛び出すのを防ぐことができます
これは、予定外にたくさんごみを入れちゃったとのかき混ぜ時だとか、袋を持って室内を移動するときに、安全にミッションを完遂する助けになります。
また、万一匂いが気になるときは、一時的に蓋してしまうこともできるため(バクテリアの働きを考えれば、あまり褒められたことではないですが)、台風で玄関にキエーロを避難させて、でも匂いや虫が心配、なんてときにも使えそうです。

メリット③ ものすごく混ぜやすい(スコップもいらない)

私は以前、セリアの小さな収納ボックスでキエーロを運用していました。
そのときに少なからず苦労したのが、掘り返し作業。
キャパの小さい箱の中では、土を避けておくスペースが限られるし、勢い余った土が跳ね上がるとすぐに場外になってしまうため、しょっちゅう土をこぼしていました。
キエーロのお世話は楽しいけれど、底の方までかき混ぜるのは中々面倒くさいな、と感じていた記憶があります。

その点、空袋コンポストは手に袋を持ってモミモミするだけなので、超簡単。
下の方からしっかり掘り返したいときも、袋の底の部分を揉み込めば簡単にできてしまうのです。

生ごみを入れた翌日、翌々日以降の土は、生ごみの分解と水分が蒸発で、少しカサが減ります。
そうして、袋と土の間には自然と隙間ができている状態になります。
ここに新しい生ごみを入れて、袋の底のところをぐいぐい揉み込むと、地表の真ん中あたりから底の方の土が押し出されて、地表の土が周辺の隙間に落ち込んで。
何回か揉んだだけで、生ごみは下の層に埋まって、コンポストの中全体も、下の土と上の土がしっかりと循環します。
この手軽さは、ちょっと感動物でした。
以前はサボりがちだった掘り返しも今は毎日できています。
(そうやって毎日しっかり空気を入れてあげた方が、分解も進みやすいらしいです)

メリット④ 増殖・熟成がお手軽

手元に空袋があったから、とはじめた空袋コンポスト。
容器が簡単に手に入るので、キャパオーバーを感じれば増やすことも簡単です。
家庭菜園をしていて、堆肥用に熟成させたいと思ったときも、数袋運用しているうちの1つをそのまま熟成させればいいだけなので簡単です。
私も現在、今回のキエーロで出来た土の半分を別の袋に移して、ベランダのトマト&リボベジ達用に熟成させています。
(運用中のキエーロは減った分の土を足して引き続き稼働中)


「世話になるねぇ」「まぁ任せろや」的な両者のやり取り……は多分ない。

デメリット① 容量は少ない

しかし、当然デメリットもあります。
一番の問題は、キャパシティが小さいこと
基本的に生ごみが少ないわが家でも、一気に多量の生ごみが出てキャパオーバーの危機に見舞われたことがありました。

もらったフラワーアレンジメントのお花が枯れちゃったり、根腐れした豆苗の根を処分しなければいけなくなったり……
このへんのイレギュラーは、温かな気候にも助けれらえて意外と何事もなく乗り切れましたが、ベースの生ごみ量が多いご家庭には、ちょっと不向きな方法だと思います。

デメリット② 通気性が悪い

キエーロは、バクテリアの好気的な分解能力を頼みにしたシステムです。
つまり、しっかり稼働してもらうためには酸素が必要
この点、木箱や段ボールと比べて圧倒的に通気性が悪い食品パッケージは、本来キエーロには不向きです。
そのため場合によっては、木屑などを混ぜて土自体の通気性を良くしてあげる、こまめにかき混ぜてあげるといった気配りが必要になると思います。
わが家の場合は、袋開けっ放し&ほぼ毎日かき混ぜの運用で特に問題なく過ごしていますが、参考にされる場合は、念のためこの点もご注意下さい。

一人暮らし用ミニ・コンポスト運用のコツ

大きなコンポストに比べて、手軽だけどキャパは小さいミニ・コンポスト。
無理なく続けていくために、わが家ではいくつか気をつけていることがあります。

① 分解されにくいものは無理に入れない

1代目をはじめたときは、とにかく何でも試してみたくて、色々な物をコンポストに入れました。
野菜の種、髪の毛、布、木、植物性のスポンジ……
しかし当然、こういったものは分解に時間がかかるので、調子に乗るとあっという間にコンポストの容量を圧迫し出します。
特に髪の毛は、毎日のように出るのでバカにならない!
人の消化器でも消化できず、土に埋めておいても分解されるのに1〜3年かかる髪の毛……まぁ、当然すぐに溢れますよね。

分解されにくいものの処理にこだわって、本来の目的である生ごみの処理ができなくなっては本末転倒なので、現在は以下のようなマイルールを決めて付き合っています。

髪の毛、布→ 基本的にコンポストには入れない
木、セルローススポンジ→ 基本的には入れないけれど、少量なら通気性を良くする目的で細かくして混ぜることもある(木は鉛筆を削る要領でカッターナイフで削る)
梅干しの種→   〃  
かぼちゃの種→ 中身はパンプキンシードとして食べる。外殻は量によって入れたり捨てたり。
お茶殻→ 捨てずにコンポストに入れるけど、なるべく食べちゃう

② 虫除けにはアロマも活用

容量が少ないと、どうしてもごみの上にかぶせる土の層は薄くなりがちです。
人間の鼻では気にならない程度の匂いでも、虫はどうかな?
と気になったりもするので、ちょっと生ごみの量が多めかなぁ、というときは虫が嫌うアロマオイルを垂らしています

エッセンシャルオイルは種類によって効能も色々ですが、シトロネラレモングラスユーカリシトロネラなどのイネ科植物に含まれるシトロネラールゼラニウムに多く含まれるシトロネロールという成分は、防虫効果があるといわれています。
他にも身近なところでは、ハッカやペパーミントなど、シソ科植物に含まれるチモールも、体の小さな虫にとっては有毒で、虫除けとして効果的だそう。
個人的には、レモングラス、ゼラニウムが好きで良くお世話になっています。

レモングラス ゼラニウム

また、「アロマオイルなんて持ってないよ」という場合には、スパイスのクローブも使えます。
クローブの和名は丁子。
日本でも古くから高級品として重宝されてきた丁子染めは、茶色がかった色合いや香りが好まれたのももちろんですが、虫除けの効果が期待されていた側面もあるそうです。
クローブに含まれるオイゲノールは、人体にとっては漢方薬の薬効成分ですが、Gさん(名前を呼んではいけないあの方状態……)などの虫にとっては痺れぐすり的な効果を持つと考えられているのだとか。

それから、生ごみとして出るものの中でコーヒーかすは、脱臭や虫除けの効果が期待できるアイテムです。
油分が多く多孔質のため、キエーロにとっては分解しやすいものですし、匂いが気になりそうなときは積極的に混ぜ込んであげると良いかも知れません。

まとめ

小さいながら大活躍してくれているわが家の空袋キエーロ。
そもそも袋を使ってみようと考えたのは、思い返せば昨年、こんなサービスのリリースについて目にしたのも関係していたんだろうな、と後で気づきました。

専用袋にコンポスト基材が入っていて、これひとつでコンポストを始められるサブスクリプション・サービスなのだそう。
月々中々のお値段だな、と思っていたのですが、専用袋の機能性の高さや、基材へのこだわり(バクテリアがちゃんと働いてくれるために、これはとても大切)、困ったときにLINEでいつでも各専門家に相談できるソフト面の充実具合などを見ると、納得する面もありました。

私は自分で色々調べたり、試行錯誤するのが苦にならないタイプですが、はじめてのコンポスト不安だな……という方には、手助けになるものかも知れませんね。