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お茶を食べ尽くす【生ごみ削減/お茶の出がらし活用法】

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こんにちは。
最近、引っ越しのバタバタで一時中断していたコンポストを再開しました。
(詳しくはまた別記事でご報告します)
コンポストのお世話をしていると、やはり日々の生ごみに対するセンサー感度が一段上がる感じがします。
量とか、内容とかね。
あと、コンポストをお休みしていたときは、少しでもゴミが出ないように無意識に、可食部の多い食品を選んでいたみたいです。
再開してからまず買ったのがジャガイモでしたからね。その後、コンポスト内はあっという間に皮で埋め尽くされました。笑

コンポストの処理能力には限界があるので、わが家のようなミニ・キエーロもどき運用で自転車操業している家庭では、捨てる生ごみの量が多くなり過ぎないように、やはり気を使います。
堆肥化は、生ごみの処理には便利な手段ですが、うっかりメタン発酵させちゃったら嫌やな……という点は常々気になりますし。
(メタンの温室効果は二酸化炭素の20倍以上。処理所みたいに回収・燃焼して、ボイラー発電に活用するとかできたらいいんですけどね)
やっぱり、生ごみにならないように無駄なく食べ切れたら、これに勝る処理方法はないな、と日々実感します。

そんなわけで、野菜については可食部ギリギリまで食べ尽くしてやるぞ精神(食い意地?)を発揮してみたり、ちょこちょこリボベジに勤しんだりしているしているわけですが。
www.murr-ma.work
最近、「お茶って食べられるはずだよね??」とふと思い至ってから、にわかに食べるお茶ブームが到来しています。

そこで本日は、我が家で実施中のお茶殻食のあれこれについて、まとめてみます。

お茶は飲みもの? それとも食べもの?

そもそも私が「お茶を食べる」という発想にはじめてふれたのは、高校時代に読んだ中国茶史の本でした。


中国喫茶文化史 (岩波現代文庫―学術)

この本は、喫茶の起源や中国茶の製法の変遷、更には流通や日本茶道への影響などについて、幅広い文献的考察とフィールドワークを下敷きに書かれた中々の労作だった……ような気がする遠い記憶な訳ですが(10年以上前なんで)
この中で、中国ではお茶を点てて飲む文化とは別に、食べる文化が存在することが紹介され、私たちが知る喫茶文化関連について考察されていたのです。

「これはお茶というか……ほぼ野菜扱い?」
具体的な調理法は忘れてしまいましたが、飲まれるために加工された訳でない、一枚の葉っぱのままお茶が食されている様子は、目から鱗でした。

確かに、お茶は栄養価の高い食材です。
お茶には、カテキンやビタミンC、アミノ酸が豊富だから、飲むと健康にいいよ、なんて話、よく聞きますよね。
そして実のところ、食物繊維や脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンE)など、お湯には抽出されず、出し殻の方に残ってしまっている栄養素も少なくないそうです。

……うーん、これは。
生ごみ削減云々以前に、なんか食材として勿体ない気がしてきたぞ。

というわけで以下、わが家で試してみたお茶殻メニューです。

わが家の現在のお茶事情

と、その前に。
素材になるお茶のメンバーがどんな感じか、ご紹介しておきます。

現在わが家にあるお茶は、大きく分けて2種類。
① 台湾茶
② 紅茶

いずれも貰い物が大量にあって、ありがたく地道に消費している現状です。

左下でジップロックに入っているお裾分け紅茶以外は、すべてお土産の台湾茶。
ここには入れ忘れましたが、これまたお土産で貰った台湾の紅茶とシンガポールの紅茶もありました。
……みんな台湾好きよね。ワイも好きよ。

台湾茶も色々種類がありますが、やはり一番多いのは頭頂烏龍茶。
烏龍茶というとサ◯トリーなどの、ほうじ茶のような濃い色合いのイメージがあるかもしれませんが、そのへんは実のところ発酵度・焙煎度のさじ加減次第で、お店によって様々。
いま飲んでいる烏龍茶はかなり発酵度が低く、緑茶に近い飲み心地なので、緑茶感覚でご飯のお供にしています。
ただ、台湾茶の特徴として、「何煎も注ぎ足して楽しむ」というところがあるので(つまり茶殻は相当の出涸らし状態)、以下の記録はその辺を考慮に入れて読んで頂ければ幸いです。

紅茶も色々あるけど、まぁ、紅茶っす。笑

お茶殻を食べる ① 青菜代わりに具にしてみる

というわけで、緑茶はないけど、緑茶がわりの頭頂烏龍茶を喫しておりますわが家。
「まずは普通に食べてみよう」ということで、そのお茶っぱを青菜代わりに調理してみることにしました。

実験その1:そのままおひたしにしてみる
お茶を淹れた後の状態のお茶殻。
当然、火を通すだなんだする必要は最早ありません。
とりあえず、茶漉しごと流水に晒して軽く洗って、水気を絞って。
みりんと醤油で和えて、アルコール分を飛ばすために軽くレンチンして、ごま振って。
……行程少なすぎて心の準備をする間もなくできちゃったよ、とかぼやきつつ、いざ実食。

……うーん。味は不味くはない。苦味は気にならないしお茶の旨味も残ってて、味的には悪くないんだけど、ちょっと筋っぽさがなぁ。
たぶん、発酵も焙煎もしてない緑茶、特に新茶とかだったら、これは美味しくいただけそうな予感。
というポテンシャルは感じましたが、そんないいお茶普段から飲まないからね。

でも逆に、そういういいお茶を手に入れたときは、二煎目、三煎目と堪能した後の最後のお楽しみとしてありなのでは?!
と考えてみるくらいには、味はありでした。味は。

実験その2、その3ではお味噌汁、チャーハンを試してみましたが、良くも悪くもいずれもお茶の味はさほど感じず。(出涸らしだからね)
ただやっぱり筋っぽさが気になるなぁ、というのが課題だったので、以下、繊維質を叩きのめす系の戦略に舵を切りました。

お茶殻を食べる ② ふりかけにしてみる

フードプロセッサーもすり鉢も持っておらず、長らくこれ系の手作りには手が出ずにいたのですが。
このほどめでたくすり鉢を購入したので、喜び勇んで作りました。(ヒャッホウ!)
以前、包丁で微塵切りにしようと試みてみたこともあったのですが、発酵茶の葉のしぶとさに割と苦戦し……
なので今回は、

①茶葉を乾燥させる
②すり鉢で擦る
③そのまま他の材料と混ぜ混ぜ

という作戦(?)にしました。

わが家では、昔3coinsで買ったセーター平干し用のネットを窓側にかけて、野菜干しコーナーにしてるので、まずはそこで茶殻を乾燥。

サラシがあると、そこに茶殻を開けて、巾着状に包んだのをそのまま流水で洗って、絞って、広げて。と超簡単です。
ない場合は、適当なお皿に広げてレンジでチンして、そのまま放置して乾燥、でもいけるかと。
そして乾いたらすり鉢に入れて
そのまま好みのサイズまで擦り擦り。
この時点で、お茶っぱの芳しい香りがこれでもかと漂ってきます。
いや増す期待値……
ごまがあったら絶対香ばしさアップだよな、と思いつつ、買いに行くのも面倒くさく、冷蔵庫にあった乾燥大葉を放り込んで完成としました。

うーん、ビジュアルはイマイチ。
でもまぁ食べます。

……ん? …………んんん?
え、ナニコレ。めっちゃ美味いやん。
姉さん、事件です。お茶ふりかけ超美味いです。

そのまま黙々と食べ続け。
実は最初、「ちょっと薄味だなぁ」と思い、しばらくして「そういえば塩入れてない……」と気づいたのですが、結局そのまま完食しました。
つまりなんていうか、お茶の香りと旨味が、米粒の甘さを引き立てていて、塩味なしで全然いけた。
市販のふりかけをかけたとき「味が薄いなぁ」と思ってついついどんどんかけてしまうことがよくあるのですが、香りが強いとそういうのないのね。
減塩食の指導を受けている人は、スパイスを多めに使うようアドバイスされるらしいですが、さもありなん、て感じでしたね。

ちなみに使ったすり鉢はこちら。

すり鉢やフードプロセッサーの購入は、軽く数年の単位で悩んでいたんだけれど、わのわさん(@KWanowanowa)がtwitterで紹介されてるのに一目惚れして、あっさり購入。
サイズは小さすぎず、大きすぎずで、溝が刻まれていないので洗いやすいのが良い。
主張の強すぎない佇まいで、わが家の狭い台所でもしっくり収まってくれています。しゅき。

お茶殻を食べる ③ ごはんに炊き込んでみる

さて、繊維質を叩きのめして香りを生かしていく系の戦略は結構良さそうだと調子づいた私。
ここでひと勝負、ごはんに炊き込んでみることにしました。
しかも敢えて、紅茶での挑戦です。
まぁ、頭頂烏龍は旨くなるだろうっていうのは上の結果で大体わかりましたからね。(単にその日出たのが紅茶だっただけだけど)

作り方は至ってシンプル。

① 普段通り米と水を計って入れる。(2合分)
② 茶殻を入れる。(ティースプーン3杯分)
③ 何となく茶飯気分で醤油をひと回ししてみる。(意味があるかは不明)


はい炊きます。引き続き、ヴィジュアルの悪さは気にしません。
で、炊き上がったのがこちら。

……なんとなく、雑穀米っぽい気がしなくもない?(全力の欲目)

そんな感じで自分を励ましつつ口に運び。当時のつぶやきが以下の通りです。

いや、そうなのよ。 美味かったんだよ。美味かったなぁ……

ついでに更に後日、調子に乗って茶ふりかけ on 茶飯もしてしまった。やり過ぎ。

お茶殻を食べる ④ 焼き菓子に入れてみる

で、これは王道だし試すまでもなかろう、と思いつつ、作ってみました焼き菓子。

サクサクカリカリ系の方が繊維も気にならないだろうと、一番ラクチンなクッキー。
普通にお茶っぱ入れて作るレシピもあるくらいだから、特段の違和感はなかったけれど、やっぱり香りは薄いかな?
普通のクッキーより食物繊維豊富な分、腹持ち良くなってくれるといいなぁ、なんて思いつつ。

パウンドケーキとか、柔らかい系のものに入れる場合は、食感が悪くならないように細かく刻んであげましょう。
料理に使うのはチャレンジャー過ぎてちょっと……という方には、一番抵抗がない食べ方かもしれません。

お茶殻を食べる前に:うがいに利用

ちなみに。
茶殻を食べるその前に、出かける用事があるときは、ポットにもう一回水を入れておきます。
(水で出すのは、単にお湯を沸かす電気がもったいないだけ)

帰宅する頃には、こんな感じのうすーい水出し茶が出来上がっているので、うがいに使います。

お茶に含まれるカテキンは風邪予防にいいよね、なんて言われておりますが、これは香りや味が薄くなったお茶にも溶け出しているのだそう。
おまじない程度の効果だとは思いますが、こうやって準備しておくと、
「さて、手洗いうがいしようかな」と思う視覚的スイッチにもなるので、私には合ってる気がしています。

ちなみにうがいは、4回くらいはやるのが効果的。
私は、最初の1回、2回で口の中の雑菌を洗い流してから、3回目以降で喉の奥でガラガラ、とやるようにしています。

お茶殻フードの注意点

最後に一点、お伝えしておきますと。
私、カフェイン耐性できてしまっている人間でして。寝る前にブラックコーヒー飲んだりしても、むしろストレスが緩和されて朝までぐっすり、心地よい眠りを得られたりするタイプなんですよね。

何が言いたいかというと、カフェインに敏感な方の場合、**夜眠れなくなっちゃったりする可能性があるので、夜遅い時間のお茶殻フード摂取は避けるのが無難だと思われます。
まぁ、カフェインは飲んだお茶の方にかなり溶け出してしまっているとは思うんですけど、この辺の物質への敏感さは個人差がありますので。

同様の理由で、食べすぎ、飲み過ぎも禁物です。
1日のカフェイン摂取量の上限は、国によってばらつきがありますが、一般成人で大体300〜400mg程度
茶葉に含まれるカフェイン量は茶葉の成熟度によってばらつきがあり、100gあたりで玉露なら160mg、紅茶は30mg、煎茶やほうじ茶、ウーロン茶なら20mg程度が多いようです。
中毒になると眠れなくなるだけでなく、頭痛がしたり情緒不安定になったり、吐き気や消化不良を起こしたりと、困った症状を色々と起こす可能性があるので、くれぐれも気を付けましょう。

まとめ

お茶は繊維の多い食材なので、食べれば栄養ですが、コンポストに入れると分解されるのに少々時間がかかります。
気温が下がってコンポストの処理能力が落ちる冬場は特に、中々分解されないお茶っぱが枯れ葉のようにジワジワ溜まりがちでした。
でも、今回お茶殻消費の目処が立ったことで、今後はより調子良い状態でお世話を続けていけそうです。

特に、雑穀米風のお茶殻炊き込みご飯は個人的ヒットでした。
今後もわが家の定番メニューになりそうです。笑
そういえば、こうやって少しずつ生活が変わっていくのがゼロ・ウェイストの醍醐味だったなぁ。
なんだか、取り組みはじめの頃の気持ちを思い出しました。

いやはやホント、ごみと向き合うことは暮らしと向き合うこと、ですね。