ゼロ・ウェイストといえばコンポスト。
実はゼロ・ウェイストを知る以前、生ごみの処理について調べたときにその存在は目にしていた。
その当時は、「何だか面倒臭そう……」と敬遠していたけれど、『ゼロ・ウェイスト・ライフ』を読んだら取り入れたくなって、前のめり気味で改めて色々調べてみた。
だがしかし。
だがしかしである。
「……やっぱりうちには向いてないんちゃう?」
正直なところ、それが現時点での結論だった。
ガックリ……orz(←めちゃくちゃ久しぶりに使ったわこの絵文字)
そんな訳で今回は、我が家の生ごみ事情と、ひとり暮らしのコンポストについて。そして、コンポストの代わりとして着地したレス・ウェイストな生ごみ管理について、整理してみようと思う。
目次
生ごみ極少生活
まずは我が家のスペック。
- 都市部、マンション、1DK、30代女性ひとり暮らし。
- 基本自炊。基本少食。草食寄り。
- 肉魚は食べないことはないけど、丸ごと一尾は食べ切れないから買わないよー
このあたりで、なんとなく想像がつく方もいるかもしれない。
自炊をしているから、生ごみは出る。
出るけど、基本的に超少ないのである。
毎日のごみは、お皿についたおかずやお米の屑がひとつまみ程。
たぶん、知らんぷりして下水に流しても詰まらないんじゃなかろうか。
纏まった量のごみは、野菜の皮やヘタを処理したときや、果物を食べたときに、数日に一度出る程度。
あとはコーヒーの滓、時々お茶っぱ、という感じかなかな。
というか、ほぼ確実にコーヒー滓が一番多い。
しかし少なくても、生ごみは生ごみ。
時間が経つとやっぱり匂いが気になるし、毎回ビニール袋で厳重に包むのは、わざわざそのためにコンビニの小さな袋をためておくことも含めて、地味にストレスだった。
なので、プラごみ問題やニオイ問題がまとめて解決できるなら、コンポスト最高でない?
と、結構ワクワクしながらリサーチをはじめた。
ひとり暮らしのコンポスト候補
コンポストは色々な種類があって、『ゼロ・ウェイスト・ホーム』でも8種類のコンポストが、それぞれの特徴や向いている環境と合わせて、まとめられていた。
まず大きなポイントは庭の要・不要で、庭のないマンションでも導入できるのは以下の3つ。
- ダンボールコンポスト:ダンボールで手作りして、土と生ごみはシャベルで混ぜる。安価で手軽。
- 手動式生ごみ処理機:手動ハンドルで中の土と生ごみを混ぜる。値段は色々。
- 電動式生ごみ処理機:電動で以下同上。手軽だけど、電動なので基本的に高価。
魚など臭いの原因になる食材を避ければ基本的に臭わない、室内置きなら虫はあまりわかない、といった点はいずれも大差ないようで、となると、選択の決め手は予算と手間と設置スペースだった。
大枚叩いて失敗したらショックが大きいので、電動式はまず候補から外れた。
ダンボールコンポストと手動式生ごみ処理機を調べて、欲しくなったのはこのへん。
コスト面での手軽さはダンボールコンポストに軍配が上がるけど、定期的に新しいダンボールを入手しなきゃいけない点や、ダンボールが徐々に草臥れてくることを、地味に負担に感じそうな自分を想像できたので、手回し式にも心惹かれた。
コンポストの中身もさることながら、ダンボールの隙間に好んで卵を産むタイプの虫もいるので、虫対策の手間とストレスを回避できるなら、多少の初期投資もありか?
と心動いた。
そこで、実際の使用をイメージしてみるべく、それぞれの口コミを読み漁ってみた。
腹ペココンポストにはお豆腐?
しかし、色んな人のコンポスト体験や談義を読む内に、段々とテンションが下がっていくのを自覚した。
コンポストに許容量を超えた生ごみを放り込むのは、臭いの元になる。
だがどうやら、ごみが少な過ぎるのも良くないらしいのだ。
生ごみや水分が少ないと、エサに枯渇した菌は飢えてしまう。
実際、掲示板やブログのコメント欄などで、ごみが少なくてコンポストが上手くいかないことを相談する人も1人ならず見かけた。
そして、そうした相談には決まって、生ごみとは別に「エサ」をあげましょう、といったアドバイスがなされていた。
米の研ぎ汁、使用済みの天ぷら油などはわかる。
「お豆腐を一丁入れてあげましょう」
このアドバイスを見たときは、ちょっとクラっときた。
一歩引いて俯瞰してみると。
堆肥づくりを第一の目的にしている人もいて、そういった場合にはこのアドバイスもそうおかしいことではないのかもしれない。
けれど、私にとってはごみを減らしたいというのが第一義で、この世界観を受け入れることは難しかった。
堆肥どうするねん問題
もうひとつ。
コンポストは「生ごみが消える」と表現されるけれど、決して何もなくなる訳ではない。
分解された生ごみは、元の何分の1の量の「堆肥」になる。
堆肥は適切に処理をすれば、園芸や農業に活かせるものだ。
活かしてくれる人がいれば、ごみにならずに済む。
既に述べたように我が家には庭がないので、この「堆肥を活かしてくれる人」が必要だ。
早速、引き取り手がいないか、インターネットで調べてみた。
しかし街中では、堆肥を貰ってくれる宛ては中々見つからなかった。
役所の環境課やジモティーも当たってみたけれど、私の居住区にはどうやら、堆肥をほしがってくれる人がいないようだった。
「近くの公園に撒いたら怒られるかな?」
思って更に調べてみたが、どうやら堆肥は、適切な割合で土に混ぜ込んでやらないと、却って木の根を枯らす原因になってしまったりするようだった。
こうなると、出来上がった堆肥は捨てざるを得なくなる。
まぁ、捨てるとしても、普通に生ごみを捨てる数分の1にはなるわけで、決して無意味ではないと思う。
でも多分、我が家の現状では、コンポストを成功させるために元々以上に生ごみを出すことになりかねない。
これでは、本末転倒もいいところだろう。
コンポスト断念! 代わりにやっていることは
と、いう訳で、コンポストは一旦断念することにした。
しかし、成果がないわけではなかった。
コンポストリサーチの途上で見つけたブログで、こんな記載を見つけた。
一人暮らしの高齢女性。
ダンボールコンポストは、手間暇が、かかるし、そもそも、ほとんど、ごみ出ないとの事。
素晴らしい。
生ごみ水切り器
生ごみの水を切るだけでも、エコになるのですね。
『地球に優しい生ごみの減らし方』より引用
生ごみの水を切るだけでも、エコになる
乾燥したごみは焼却の効率がよいため、ごみ処理コストの削減になる。
コンポストが無理でも、できることがあるぞ!
嬉しくなった。
同時にふと、毎日出るコーヒー滓が活かせるのではないかと思いついた。
そんなわけで、今の我が家の生ごみ処理はこんなかんじ。
この中に生ごみと、乾燥させたコーヒー滓、ついでにバスルームのネットに溜まった髪の毛や、お掃除ロボットの綿ぼこりなんかを入れています。
中も気になる方は、ずずいとスクロール
(ゴミ箱の中なんて見せないでよ! という方は、回避お願いします)
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生ごみ自体がよく乾燥しているのと、コーヒー滓が匂いを吸ってくれるので、匂い問題とは無縁。
ちょっとでも匂う気がしたら、上からコーヒー滓を振りかければすぐに消えます。
ささやかながら、
①「毎日のように出ていたごみ取りネット+ごみを包むためのビニール袋」を減らせた
②生ごみを乾燥した状態にすることで、処理時のエネルギーロスを減らせた
というのが成果かな。
匂い問題も解決して、中々に快適。
それと、なくすところまで持っていけないからせめて紙容器のものを選ぶようになった、ヨーグルトやお菓子、アイスクリームなどの空き容器を、無駄にせず活用できているのも、地味に嬉しい。
地味だけど、スモールステップだけど、ゼロではない。
こういう変化を、こつこつと積み重ねていきたい。